「…ちょ、あれ、文化祭の時の!?」
美都が、興奮したように声を上げた。
そうだよ、と嘉乃が頷く。
「初めて近くで見たけど…、本当にカッコいいね!」
「そう?」
嘉乃はきょとん、と首を傾げる。
「そうだよ!ね、綺深?」
美都に言葉に、私は曖昧に笑みを返した。
「うーん?そう、だね」
「ほら!!」
勝ち誇ったように美都が言う。
まぁ、そうだね。
外見は、カッコいいね。
……いや、あの、今となっては中身も否定はできないですけど…。
「そんなことよりお腹すいたよー。早く部屋戻ってご飯行こ?」
もう東校軍団を見飽きたらしい嘉乃の言葉に、周りもはたと自身の空腹に気付いたようだった。
「そうだね。行こっか」
美都もそう言って笑う。
人だかりはやがて解散ムードになり、それぞれの部屋に戻っていった。


