私は、こっそりファイルから予定表を取り出した。
確認って言ったって…。
別に何も変わったところなんか…。
私は1日目から予定表を人差し指でなぞりつつ見ていく。
……ん?
予定を追っていた指が、明らかに手書きで書かれた文字に辿りついた。
慌てて書きなぐったような、雑で小さい字。
『22時に渡り廊下で』
んんん??
なんだね、これは?
私はひとり首を傾げた。
樫野くん…、ってこの部屋じゃないか。
きょろ、と周りを見渡してみたが彼の姿はなかった。
樫野くんも私と同じように受験組ではない…はずだけど、ほとんどの生徒が受験組じゃないから、何部屋かに分かれている。
どうやら違う部屋に割り当てられたらしい。


