君と本気のラブゲーム


「うーん…。あたしたちみたいな受験ない組くらいちょっと規制緩めてほしいよねー。勉強は頑張るんだし…」


はぁ、と盛大な溜息を吐く美都。



「まぁまぁ。とりあえず、行こう。挨拶とかあるんだよね?」



ひとりのそんな言葉で、みんなぞろぞろと部屋を出た。



「広間でいいの?」


「そうでしょ。毎年だし」



お世話になる合宿所の管理人さんやスタッフの方たちへの挨拶と、3日間の注意点やらの説明。


それが広間で行われる。


毎年のことだ。



「岬。日程表、見たか?」


「かしかしだ」


「かしかしー」


「うっせ」



突如現れた樫野くん。



てか、またそれ?


なんなの。



「ごめん、まだ見てない」


答えると、樫野くんは「ちゃんと見といて」と今朝と同じセリフを残して先に広間に入っていった。


なんなんだ。