君と本気のラブゲーム



バスを降りると、私を含め6人の班リーダープラス担任の先生で円になった。


先生が点呼の重要性やら注意点やらを述べているが、まぁ全部事前に渡されたしおりに書いてあることだし、と言葉が右耳から左耳へと脳をスルーしてパスが通っていた私。


外面は真面目に頷いてみた。


周りを見ても、みんなそんな感じ。



やがて先生の話が終わりバスに戻ろうとすると、樫野くんに呼びとめられた。


「岬、…プリント、見た?」


「プリント?」


一体何の?


高校生が日常的に触れるプリントの量は半端ないんですよ?



「昨日、渡しただろ」


「……あ、忘れもーん、て渡してくれたやつ?」



今日の日程表。



「持ち物の欄くらいは確認したけど…。なんで?」



昨日、持ち物を揃えるときに使ったけど、日程の部分は見てない。



「……いや。ちゃんと見といて」


「はぁ?」


どういう意味?



しかし、私がそう訊く前に、樫野くんはさっさとバスに乗り込んで行ってしまった。