「あのー、愛を確かめ合ってるとこ悪いんだけど」
「なに、かしかし。邪魔しないでよ」
バスの通路からひょっこり現れた樫野くんを、私はキッと睨んだ。
「……班のリーダ、集合だってさ」
「えー!バス降りるの?めんどくさっ」
窓側に座っちゃったよ!!
くそう。
これだからリーダーなんてやりたくなかったのに!
じゃんけん弱い自分を呪うわ!
「いいから早く。お前で最後だぞ」
「まじすか。…ごめん嘉乃、ちょっくら行ってくる」
「うう、わかった。かしかし、アヤにちょっかいだしたらコロスから!!」
嘉乃が樫野くんをにらみつつ席から立ち上がって、通路に出た。
私が出られるように。
ていうか嘉乃、まだそれ続いてたんだ…。


