────翌日。
「嘉乃!こっちこっち!」
バスの中で、私より少しだけ遅く来た嘉乃に、手を振って居場所を知らせた。
バスに乗り込んできた嘉乃は私の姿を認めるとニコッと笑う。
そして、私の隣の席に腰かけた。
「おはよ!」
「おはよ、アヤ!楽しみだね!」
足元にバッグを置きながら嘉乃は声を弾ませた。
着替えやその他もろもろ入った大きいバッグは、乗りこむ前にバスの荷物入れにまとめて入れた。
なので、今持っているのはお菓子や飲み物、それに貴重品が入ったバッグだけ。
こんなときくらい私服でいいじゃん、って思うけど、制服着用が義務付けられていて、全く窮屈なことだ。


