会わない方がいいと思った。
そしたら、これ以上好きになることもないと。
……だけど、そんなこと、全然なくて。
会えないと、余計に考えてしまうわけで。
私、勉強しながら何回メールチェックした?
会おう、ってメールがこないかな、なんて本当は思ってた。
きっと、そんなメールが着てたら飛んで行ってた。
……会わない方がいいって、分かっていても。
数学の公式が並んだだけのメールでも嬉しくて。
今は京佑くんも私のこと考えてくれてるんだ、って思ったら、どうしようもなくまた好きが溢れて。
自分が、怖い。
私は、家に入りながらもう一度、深くため息を吐いたのだった。


