「むー…。そうなんだろうけどさー。ね、アヤ、なんとしてもキョウと結婚してね。キョウがちゃんとアヤのこと好きになったら、きっと昔の恋愛なんか忘れて、そんで私のしたことも許してくれるはず!」
「自分のためかい」
「何言ってんの、はじめっから自分のためだよ?私は私がアヤと一緒にいたいからキョウとくっつけようとしてんだから」
そういえばそうでした。
なんだかんだ言って、私は嘉乃のそんな分かりやすくて潔い性格が好きなんだよね。
「よーっし!今日は徹夜で作戦を考えるぞ!」
そう言って、嘉乃はえいえいおー、と拳を高く掲げた。
「ほらほら、アヤも!」
「おー」
促されて、私も苦笑しつつ拳を上げた。
だって、嘉乃が徹夜なんかできないのを私は知っている。
そして、夜、1時。
ベッドからはすやすやと規則正しい寝息が聞こえてくる。
さっきまで、眠そうにしながらも頑張って喋っていたのに。
私は床に敷かれた布団の中で思わず笑った。
いつも規則正しく10時には就寝してる嘉乃がここまで起きていられたことにむしろ驚きながら。
私も寝よう、そう思って、布団をかけなおした。


