揺らいじゃだめだと分かっている。
だけど、不意の優しさが涙が出るほど嬉しくて、きゅんと胸が鳴ってる自分がいる。
そのたびに、もしかして、って期待して。
……本当は、キスされたとき、言っちゃいそうだった。
……好き、って。
だけど、京佑くんが好きだと言ったのは私ではなく、私とのキス。
これ、前の私だったらぶん殴ってる。
まず、好きでもない人にキスするなんて、どうなのよ…。
……でも。
拒めないんだもん…。
もう、今の私じゃ、振りほどけないんだもん…。
お願いだから。
もう少し。
卒業まで。
決意を、揺らがせないで──…。