やがてゆっくりと熱が唇から離れていった。
それを感じて私は静かに目を開ける。
「……キス、やっぱり嫌じゃないんだね」
目の前で、ふわりと京佑くんが微笑んだ。
きゅん、と心が鳴る。
「嫌だってば…」
「そんな顔して言われても説得力ないけど」
くす、と笑われて、かあ、と更に顔が熱くなる。
そんな顔、がいったいどんな顔なのかは分からないが、どうしようもなく恥ずかしくなって。
うん、きっとすごく恥ずかしい顔をしてるんだ。
「わ、私、帰る…」
俯きながらそう言うと、腰に回っていた手がするりと外された。
そして、私よりも先に京佑くんが立ちあがった。
「送るよ」
「……え?」
一瞬、言われた意味が分からなくて思わず顔を上げていた。
…送る?
京佑くんが?


