「うーん。やっぱり、嫌がられると余計いじめたくなるんだよねー」
「変態っ!!」
「それさっきも聞いた」
「今日はもう帰らせて頂きます!!」
私は急いで鞄に勉強道具を入れて、立ち上がった。
「なんで急に」
「あんたが変態スイッチ入ってるからでしょ!?」
そう叫び、歩き出そうとしたら、下から手首を掴まれた。
座ったままだった京佑くんに。
「ちょ、離し…っ、きゃあっ!」
ぐい、と腕を引かれて。
何が起こったか分からないうちに、すっぽりと身体が京佑くんの腕の中に収まっていた。
な、なにが起きた!?
持っていたはずの鞄は投げ出されて床の上に落ちている。
「よいしょ」
なんとも間の抜けた声とともに、私の顎に京佑くんが手を掛けて、くい、と顔を上げさせられる。
「…な、なにしてんすか?」
硬直しながらも、なんとか質問。


