京佑くんは、はぁ、とため息を吐いた。
…なんで?
無意識って…、何が?
「……綺深。そういう顔されると、キスしたくなるんだけど」
「……は、はあああ!?」
さすがに、京佑くんの手を振り払った。
ていうか、飛びのいた。
いきなり何を言い出すの!?
「変態っ!」
「綺深が誘惑するのが悪いんでしょ?」
「誘惑!?」
そんな高等技術、習得しておりませんが!?
「そんなことしてないっ」
「ねぇ、分かってるの?ここ、俺の部屋だよ?」
眉を寄せて、こちらを見る京佑くん。
知ってるよ。
ここが京佑くんの部屋だってことくらい。
だから何だっていうの?


