「…綺深、さっきから何?」
「……へっ!?」
京佑くんの言葉にハッと我に返る。
怪訝そうな表情で私を見る京佑くん。
えっ?
私、何しでかした!?
「な、何って、何?」
平静を装って訊き返してみる。
すると、京佑くんがニコッと笑った。
え!?
なんだなんだ!?
その笑顔の意味は何!?
「え…っと?」
「さっきから、問題じゃなくて俺のこと見てるよね?」
「!!!」
ば、ばれてた!!!
「そ、そんなことないよ…」
とりあえずしらばっくれてみる。
うわあああ。
嘉乃に樫野くん。
今まで嘘吐くの下手とか言ってごめんなさい!
私も相当下手だ!
ダメだとわかってるのに目がふらふらに泳いでしまう。


