できるだけ、会わない方がいい。
これ以上気持ちを大きくしたら、もっと辛くなるだけだ。
京佑くんは、あくまでゲームとして私をこんなふうに呼びだしたりしてくるんだから。
……あの時のキスだって、京佑くんにとっては、きっと深い意味なんてないんだ。
だから。
断らなきゃ。
テスト勉強が忙しから無理、とか。
家の用事があるから、とか。
なんでもいいから、拒否しなきゃ。
……なんて、結局、思うだけ。
現実は、私の足は自然と京佑くんの家に向かっていて。
ダメだとわかっていても。
好きな人に呼ばれて嘘を吐いて拒否できるほど、私はできた人間じゃなかった。
強くもなかった。
で。
今現在、京佑くんの部屋でテスト勉強をしているというわけです。


