「……そうか」 あれが、キスか。 そう諒太郎は呟いた。 嘉乃は、諒太郎のそんな呟きに、顔を赤らめて。 なんだか、改めて、しかもそんなしみじみ言われると、すっごく恥ずかしい! と、心の中で叫んでいた。 発言からして、諒太郎にとってはやはり初キスだったようだ。 それなのに。 どうして、そんなに落ち着いていられるのか、嘉乃は諒太郎の、あまりの無関心さが恨めしかった。 ゲーム以外には、こんなに、薄い反応。 私は、こんなに、ドキドキしてるのに。 「……」 ……ん?