一斉に、ブレスレットに視線が集まる。
「え」
(これってそんな別名が付いてたの!?)
嘉乃が心の中で慌てる一方、諒太郎は表情を変えることなく、男を見つめ返した。
「……もし仮に本当に恋人同士だったとしたら、どうだっていうんだ?」
「どうって…。そりゃ、さすがに他人のもんに手ぇ出したりはしねーよ」
「そうか。…じゃあ、そういうことにしておく」
「りょ、諒太郎さん!?」
そういうこと、とはつまり、嘉乃を恋人だということ。
諒太郎がそんなことを言うとは思っていなくて、その場にいた中で一番驚いたのは嘉乃自身だった。
「今の言葉を裏返せば、そうでなければ手を出す、ということなのだろう?」
「まぁ、そんな可愛い子を放っといたら男がすたるってもんだろ」


