「悪かった」


諒太郎は、もう一度そう謝った。



「い、いえっ!私が離れちゃったのも悪かったですし」



「離れたのは俺の方だろう?」



「でも」


「ちょっと待った!!」



なおも食い下がろうとする嘉乃の言葉を遮ったのは、諒太郎ではなく、嘉乃のアドレスゲットに燃えていた男のうちのひとりだった。



「なんだ?」


不愉快そうに眉を顰めて、割って入ってきた男を見る諒太郎。



「やっぱその子、岬の彼女なんだよな?」


「だから、違うと言っ」


「だって、それお前んとこのゼミのカップルゲームだろ!?」




男は、嘉乃と諒太郎の手首についたブレスレットを指差して叫んだ。