驚いたように男たちはきょろきょろと音の出所を探しているが、嘉乃はすぐにハッとした。
「りょ、諒太郎さん、コレ…っ」
バッ、と手首を掲げて見せる。
嘉乃の声にようやく諒太郎は自分と嘉乃との距離が離れていることに気付いたようだった。
「…悪い」
心なしか申し訳なさそうな表情を浮かべて、諒太郎は男たちの間を掻きわけて嘉乃のところに戻ってくる。
トン、とブレスレットに付いた互いの青い石をぶつけると、音が止んだ。
もし音が鳴ったらどうすればいいんですか、と、綺深が教室を出る前に訊いてくれていて助かった。
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