「ねえ、名前なんて言うの?」 「…っ」 嘉乃と諒太郎の間には、いつの間にか男たちが割り込んでいて、その勢いに嘉乃は思わず後退する。 (……大学生ってこんなに女子に飢えてるの!?) 「あの。そういうの困るので…」 「いいじゃん。アドくらい。ね?」 ……しつこい。 そう思っても、困った顔をするしかない。 諒太郎に迷惑はかけたくなかった。