しばし考え込むような仕草をしていた諒兄だったが、やがてすっくと立ち上がった。
そして、無言で机の上に乗っていた財布とケータイをジーンズのポケットに入れる。
「諒兄?」
いきなり行動を開始した諒兄に驚いて思わず呼びかけると、
「なにをボーっとしているんだ?もう行くのだろう?」
とさも当たり前のように返された。
ぽかん、と口が開いた。
……え、何が起こった!?
諒兄が、自分から(?)行くって言うなんて!!
「い、行く行く!」
私は慌てて自分の部屋に戻り、鞄を持って廊下に出ると、すでに階段を下りている諒兄の後ろ姿が見えた。
な、なんだ!?
今日は引きずってでも連れていく!ていう覚悟だったのに。
まさか、諒兄が自分から部屋を出るとは!


