しかし、無情にも、時は過ぎていくもので。
……結局、一度も京佑くんからの電話もメールも返せないまま。
……やってきました、学祭当日。
「諒兄ー。行くよー」
コンコン、と軽くノックをして。
私は薄手のコートを羽織りながら、諒兄の部屋のドアを開けた。
「どこへ行くんだ?」
「だから、学祭だって」
やっぱりというかなんというかゲームをしていた諒兄の横で、腰に手を当てため息まじりにそう言う。
「行くと言った覚えはないが」
「でも、行くの!私だって本当は気乗らないけど頑張って行くんだから、諒兄も頑張ってよ!!」
私なんか1週間以上総シカトの相手に会いに行くんだぞ!と心の中で威張ってみる。
……威張るようなことじゃないか。
「頑張って行くようなものではないだろう」
「いいから!早くしないと待ち合わせの時間に遅れちゃうじゃん!」
「待ち合わせ?」
ゲームの手を休めることなく諒兄はそう訊いてきた。
……あれ?
「え、言ってなかったっけ?今日は嘉乃とその弟さんと一緒に回るんだよ」


