「ケンカって言っていいのかは謎だけど…。ちょっと、私がキレちゃったの」
「キョウ、またアヤに何か失礼なことしたの?」
「……や…、そういうわけじゃ、ないんだけど…」
言いづらくて視線を泳がせる私に、嘉乃は困ったように眉尻を下げ、首を傾げた。
言えないよ。
京佑くんが、他の女の人と歩いているのに対して怒っちゃった、なんて。
それじゃまるで、彼女みたいじゃん…。
「アヤ?」
嘉乃が配そうに私の顔を覗き込んでくる。
私は曖昧な笑みを返した。
「ちょっと私昨日は気が立ってたみたい。京佑くんが理不尽なのはいつものことなのにね」
「やっぱり、キョウがなにかしたの?」
「……ううん、違う。大丈夫。……学祭はものすごく憂鬱になっちゃったけど」
私はそう言ってと苦笑を漏らした。
あーあ。
こんな、2組ともこじれた状態でダブルデートなんかできるの?


