そんなことを考えて、私はぶん、とひとつ頭を振った。
弱気になったら、だめだ。
好きかも、なんて意識し出したら、本当に好きになってしまうかもしれない。
ダメダメ。
あんな最低なやつ、絶対、好きになんかならない!
……よし!
私は自分自身に気合を入れて、ひとり小さく頷くと、再び外の景色に視線を移した。
ほとんど日が落ちて、さきほどよりずっと暗くなっていた。
窓に映った自分が、なんだか戸惑ったような目で私を見ていた。
……やめてよ。
なんでそんな顔してるの。
今、決めたでしょ?
絶対、揺らいじゃ、ダメ。
しっかりしろ、自分!


