わかっていたはずだ。
京佑くんが、ああいうことする人だって。
本当の自分じゃないまま誰かと付き合って。
それどころか、自分の部屋に連れ込んで。
……私以外の人にだって、触れるんだって。
……私。
何を自惚れていたんだろう。
自分とゲームしてる間はそういうことしてないって…。
私とのゲームに集中してくれてるんだって、いつの間にか、そう思っていた。
そんなこと、あるわけないのに。
あんな、最低な女たらしが、私なんかで満足するはずないのに。
分かってたはずなのに。
どうして。
……どうして私、こんなにショックを受けてるんだろう…。
改札を抜け、ホームに出ると、先程までのビルの熱気とは違う冷たい風が、私の制服のスカートをふわりと揺らした。


