「はい!」
「いいっつってんだろ」
「奢られるのいやなの!」
「俺がいいっつってんだからいいんだよ!」
言って、樫野くんはマグカップの入った袋を差し出してくる。
「い・や!」
私は無理やり樫野くんの手にお金を握らせると、樫野くんは眉を顰めつつも受け取ってくれた。
「……強情だな」
「悪かったね!」
私は樫野くんからマグカップを受け取る。
だいたい、これくらいでお礼なんて言ってたら、友達とどこかにでかけるたびに何か買わなきゃならないじゃん。
私はひとつ息を吐いた。
「でも、これで妹さんのプレゼントはばっちりだね」
「そうだな。サンキュな」
「いいって。…じゃ、私帰るから」


