……え!?
「ちょ、ちょっと待って!いいよ私自分で買うから!」
「いーから」
樫野くんはひらひらと片手を振って私を追い払う仕草をして、お願いします、とレジのお姉さんにマグカップとストラップを渡す。
「こっちプレゼント用で」
「かしこまりました」
お姉さんも、高校生カップルの痴話げんかだとでも思っているのか、私の声が聞こえているに決まっているのに、にっこり素敵なスマイルで商品を受け取る。
さすがに店員さんの前でこれ以上何か言うのは憚(はばか)られたので、ひとまず黙って私は鞄から財布を取り出す。
手際良く包装されていく猫ストラップ。
あっという間にプレゼント仕様になった。
樫野くんが会計を済ませて商品を受け取り、店を出てから、私はさっき財布からだしたマグカップの代金を差し出した。


