「あ、これ可愛い!」
私は思わず声を上げて手に取った。
2匹の猫が寄りそっているイラストの付いた、白いマグカップ。
そういえば、新しいマグ欲しいと思ってたんだよね。
買っていこうかな。
「岬はそういうのが好きなの?」
「うん。かわいくない!?小動物!買っちゃお」
「そういや妹もそんな絵の描いてあるポーチ持ってたな」
ふと思い出したように樫野くんがそう言った。
「え!ホント?じゃあこれがいいんじゃない!?」
私は、持っていたマグカップを、ずいっと樫野くんに差し出した。
「それは岬が買うんだろ?」
「おそろいでいいじゃん!」
「や、でもあいつマグカップ大量に持ってる」
「え」
「気に入ったのがあるとつい買っちまうんだと。だから家の食器棚、あいつのものが入るスペースはもうねーよ」
そんなに!?


