「と、とにかく。よくわかんないけど、隙見せなきゃ良いのね？うん、善処します」
「絶対だよ！？もしも手握られそうになったり見つめられたりしたら、奇声を上げるか全力で変顔するんだよ！？」
なにそれ！？
「嫌だよ！」
「……約束してくれないなら、キョウと付き合ってるって叫ぶよ？」
「！？」
もしそんなことをされたら、女子のみなさんの気が済むまで尋問にかけられてしまうに違いない。
あんなに苦労して、『嘉乃の代わりに案内してただけ』って認めさせたのに…！？
……それは…、嫌だな…。
私は盛大にため息を吐きだした。
「…わかったよー。約束する…」
ていうかよく考えたら、そんなことになるとは思えないしね！
奇声も変顔も、きっと出る幕無いはずだ！
私の答えに、嘉乃は「絶対だよ」ともう一度念を押してきて、私は深く頷く。
そうしてようやく満足したのか、眉間にシワが寄るほどしかめていた表情を解いたのだった。
