「……アヤは、自分が可愛いことを自覚してないからそんなことが言えるんだよ!ねぇ、本当に気付いてないの?」
「気付いてないって?」
「……文化祭終わってから、やけに視線を感じる」
心底嫌そうに嘉乃はぼそりと呟いた。
……視線って、何のこと?
「いや、それは嘉乃がモテてるからじゃないの?文化祭の白無垢姿でまた誰か虜にしちゃった?」
いつものことじゃん、と私が言うと、嘉乃はキッと私を睨んだ。
怖い。
「~~~っ!アヤの、鈍感!!」
あんまり大声で嘉乃が叫ぶから、教室にいたみんなの視線が一斉にこちらに向く。
「ちょ、ちょっと、落ち着いて」
周りに、ごめんなんでもない、と頭を下げつつ、私は、どうどう、と興奮した嘉乃をなだめようとした。
「私は極めて落ち着いた状態ですよ!!」
ぷう、と頬を膨らませて言う嘉乃。
どこが落ち着いてるって言うんだ。


