「…うん、いいよ。一緒に選ぶよ」 私は樫野くんを見上げてそう言った。 すると、樫野くんはぱっと笑顔になる。 「マジ?サンキュ。じゃあ放課後な」 「うん」 私が頷いたのを見て、樫野くんは自分の席に戻っていった。 「アヤ」 入れ違いに嘉乃が職員室から戻ってきて、私の前の、自分の席に座る。 「嘉乃。おかえりー」 「樫野くん、何か用事だったの?」 「あ、なんか今日買い物付き合うことになった」 「え?まさか、ふたりで行くの?」 嘉乃が眉を顰めた。 ……え、何?