君と本気のラブゲーム



「学祭って?」


「来週の土日、諒兄の大学の学祭があるんだ。私、諒兄のこと無理やり連れてくから、一緒に回ればいいよ!なんなら私も付いてくから!」


いきなりまたふたりっきり、ていうのも嘉乃が意識しちゃうかもしれないし!

リハビリ!


「……じゃあキョウも連れて行っていい?ダブルデートにしよ?」


……え?

京佑くん?



「……うん。わかった。じゃあそうしよう」


私は頷いた。



まあ、もしかしたら案外あっさり気まずさなんか無くなって、私邪魔者になっちゃうかもしれないもんね。



そしたらひとりで寂しいよりは、誰かが近くにいてくれ方が、きっと楽しい。



……たとえそれが、変態エロナルシストでも。



学祭では、観覧車みたいに密室にふたりきりなんてことには滅多なことが無い限りならないだろうし!



よし、ここは、嘉乃と諒兄のためだ!



「じゃあ、私から諒兄には伝えておくから、京佑くんには嘉乃から言っておいてね!」


「わかった!来週ね」


嘉乃は、そう言って笑った。


そう、来週。


ちょっと遠いけど、やむをえない。



「ごめんね。ほんとは今週中にでも機会作ってあげられたらよかったんだけど」


「そんなのいいよ!一緒に行ってくれるだけで十分!」


嘉乃は、またにっこりと笑顔を浮かべたのだった。


あー、やっぱり可愛い。


こんな子が初キスの相手なんて、諒兄、幸せ者!