「高いとこは好きなんで」
そう言って、京佑くんは笑った。
なんだか、嬉しくなる。
絶叫系は好きだけど、やっぱりたまにはゆったりしたものにも乗りたい。
私も高いところは好きだし。
「やった!じゃあ早く行こう!」
私も笑みを返して、観覧車へと歩き出した。
「いってらっしゃいませ!」
と係のお姉さんに笑顔で送り出されて、私たちは上へ、上へとのぼりはじめる。
「わあ、すごい!」
「感動するの早くない?」
向かいに座った京佑くんが可笑しそうに笑った。
「だって、もう園内見渡せちゃうよ!?」
「よかったね」
「子供扱い!」
「おー、よしよし」
「むかつく!!」
ふんっ、と思いっきり顔をそむけて、私は外の景色に集中することにした。
このまま言い合ってたら景色見るまでもなく一周してしまう!
―――夕日がキラキラと園内を照らして、きれいだった。
だんだん頂上に近づいていくにつれて、街中が見渡せるような景色になる。
「わ…」
思わず、感嘆の声が漏れた。
すっごい、綺麗!
「もうすぐ頂上だね」
「うん」
私は外を見たまま頷いた。


