それから、いくつかアトラクションに乗って、最後に何か乗ろうか、という話になった。


さすがに疲れたので、ベンチに座って休憩中。



「って言っても、絶叫系はほぼコンプリートしたし…」


「ほんとに今日は激しく落ちたり高速で回転したりばっかだったね」


「京佑くんがそういうのしか乗ってくれないからでしょ?」



私は、コーヒーカップだってメリーゴーランドだって楽しめるのに!


何度誘っても京佑くんは私の提案を食い気味に却下してくるんだもん。



私は、ちゅー、と紙パックのオレンジジュースを飲みほして、近くにあったゴミ
箱に投げ入れた。


京佑くんも持っていた缶コーヒーをぐっと飲みきって、私の入れたゴミ箱の隣にあったビンと缶用のゴミ箱に入れる。


カコン、と缶と缶のぶつかる音が響いた。



「あと乗ってないのって…。あ、あれ!」


ぽん、と手を打って、私は遊園地で一番目立っているアトラクションを指差した。

なんで今まで忘れてたんだろう。



「観覧車?」


「うん!…え、まさかあれも回るファンシーだって言わないよね?」



確かに回ってるけど、絶叫系の回る系は大丈夫なんだよね?


じゃあ回るもの全部が全部、嫌ってわけじゃないんだよね?



…いや、観覧車は絶叫系に分類……。


……できないですけど…。



「いいよ」


「……へ?」


断られると思っていたので驚いて、私は思わず京佑くんを目を丸くして見てしまった。


「何その顔」


「や、だって断られると思ってたから…」