この遊園地のジェットコースターは、結構迫力があって、たまに雑誌なんかにとりあげられたりしている。


そこまで並ぶことなく乗ることができて、私は思う存分叫んだ。

もちろん、バンザイの格好で。


「ひゃーっ!面白かった!」

「すごいうるさかった」


京佑くんの言葉に、ムッとする。

ジェットコースターは叫んでなんぼの世界でしょ!?



「ふーんだ。じゃあ次はメリーゴーランドに乗」


「却下」


「……」


食い気味、というか思いっきり私の言葉に重ねて言った京佑くん。


なんだよ!


せっかくの作戦を瞬殺された私は、心の中で毒づく。


じゃあ何が清楚なの!


しばし考えて、私はぽんと手を打った。


「じゃあ、コーヒーカッ」


「却下」


「……」


「回るやつ嫌い」


回るやつだと!?

そんなカテゴライズは知らないよ!


「……ていうか遊園地の乗り物って基本くるくるしてますけど」


「ファンシーなやつが嫌だ」


「ほとんどファンシーだよ!!」


ここは夢を売ってるんだよ!!


「……じゃあ京佑くんが決めてよ」


私は考えることを放棄して、ため息を吐く。


「じゃ、お化け屋敷」


「……はい?」