ていうか、結局なにがあったのか聞けてないし…。
ふたりとも話してくれる気はないようだ。
「……ちぇ」
本当は気になって仕方ないけれど、これ以上はどうしようもない。
なので私はとりあえず、嘉乃に言われた通り、京佑くんを遊園地に誘うことにした。
『来週ヒマ?』
そうメールを送ると、すぐに
『何かあるの?』
と返ってきた。
「……」
しばし、ケータイの画面を見つめる。
…そうだった、私と京佑くんだと、一言メールになるんだった。
……よし、電話にしよう。
そう思って、私は京佑くんの番号を探し、通話ボタンを押した。
『…もしもし?なに。メールじゃダメなわけ?』
電話に出た京佑くんは、いきなり不機嫌さマックスの声だった。
そんなツンツンしなくてもいいじゃん!
「え、今電話ダメだった?外にいるとか?」
『そういうんじゃないけど』
「じゃあ何してたの?」
『別に、何も。テレビ見たり』
「ヒマなんじゃん!」
『だからそう言ってんでしょ?日本語も理解できないの?』
「……ねぇ、来週、一緒に遊園地行かない?」
これ以上京佑くんの言葉に反応していたら終わりが見えなそうだったので、反論したい気持ちを抑えつけて、私は用件を伝えた。
さすがに母国語は分かってるつもりですよ!
『……ふーん。デートのお誘い?』
京佑くんの口調が、先程の不機嫌なものから、どこか面白がっているようなものに変わる。
デートって…。
なんか、本人に言われると、かゆいんですけど…。


