……なんで。


なんで私、あんなに拒絶しちゃったんだろう。


良いとか悪いとか考えるより先に、口が拒絶の言葉を発していた。



「……樫野くん、気、悪くしちゃったかなぁ」



でも、樫野くんが急にあんなことを言うなんて、驚いた。



……今までずっと、この、距離だったじゃん。



部活が一緒で、クラスが一緒で。


他の男子より、少しだけ仲のいい男の子。



……それだけだったじゃん…。






教室に戻って、自分の荷物を持ってから外に出る。


校庭ではまだ賑やかな笑い声が響いていた。




私は理由も分からないまま大きなため息をついて、学校を出た。








『だ、ダメ!!』


そう言ったとき、私。




―――どうして、京佑くんの顔が、浮かんだんだろう…。