「プププ、ヤワだね~。」

真っ赤になった私を見て、リュウヤ君は笑う。
私は目を合わせることができずうつむいた。

「あれ、何で奈美いんの?」

お兄ちゃんが教室に来た。

「あー慎!おせーんだよ!」

「遅いからって人の妹連れてくんな!」

お兄ちゃん達が言い合っているうちに、
私はこっそり帰った。

その日は一日中リュウヤ君が頭から離れなかった。

あぁ私、好きになっちゃったんだ。

…リュウヤ君みたいな人を好きになるなんて、
初めてだから。

すべてが初めてだったから。