浮気な彼氏~大嫌い~

放課後、マヤは部活があるから一人で帰ることにした。

靴箱を出て門に向かう途中、突然上から声が聞こえた。

「奈美~~♪」

…間違いなくリュウヤ君の声。
呼び捨てで呼ばれて私は一瞬ドキッとした。

私はリュウヤ君の声がした教室のほうを見上げた。

リュウヤ君が一人で窓から身を乗り出していた。

一人でいるリュウヤ君を初めて見たから、
なんだか変な感じがする。

「奈美、今から帰んの~?」

「・・・うん。リュウヤ君は何してるの?」

「委員会とかで誰もいねーから暇してる~。
 奈美 ちょっと教室おいでよ」

「ええっ?行って大丈夫なのかな・・・」

「誰もいないから大丈夫だって!
 3年2組おいで☆」

私は何故か、大嫌いなはずの
リュウヤ君のいる教室へと向かった