次の日の朝、学校に行くと
リュウヤ君が友達と靴箱にいた。

「あっ奈美~~」

リュウヤ君はいつもと変わらない。
私は付き合うなんて初めてで、
ドキドキして表情がかたくなっていた。

ふと見ると、リュウヤ君の手には煙草がある。

「リュウヤ君煙草なんか吸ってるの!?
 いい事ないんだからやめなよっ」

「あっもしかして俺の体を心配してるとか!?
 愛だね~~っ♪」

そう言ってリュウヤ君はまた、
私の肩に腕をまわした。

その時、1人の3年生の女子が、
こっちを見ながら歩いてきた。

その人はリュウヤ君の顔を見て、

「おはよ。」

冷たい表情 冷たい声で言い、
すぐに前を通り過ぎた。

その瞬間、私の肩にまわしていた
リュウヤ君の腕の力が、
突然ふっと抜けたのがわかった。

「…どうしたの?」

どことなくあせるリュウヤ君を見ても、
何も知らない私は気付かなかった。

「いや、なんもないー」

そう言ってリュウヤ君は吸っていた煙草を適当に放り投げた。

「あっコラ リュウヤ君!」

「ごめんごめん拾っといて!教室いくわ」