学校に近づくと、生徒の目に触れる。




やっぱり見られてる俺たち。




一年なのに有名な俺に、何もしてなくても目に入る琉菜。





そりゃ、そうなるよな。






「栗山くん!」

「おはよう。」

「ほんとに笹原さんと…?」

「うん。」

「あ…おめでとう…。」

「ありがとう!」





去り際に琉菜のこと睨んでんじゃねぇよ。




悪いけどお前の名前しらねんだよ。






「鼻が高いって思うことにした。」

「なに?」

「私の彼氏はイケメンでモテモテ!って。」

「爽やか入れろ。」

「あれのキャラは嘘くさいからイヤ。気持ち悪いもん。」





琉菜はポジティブシンキングを身につけたらしい。




良かったんじゃねぇの。





「琉菜、お前はモテなくていいから。」

「はぁ!?あたしだってモテてみたいから!」

「そんな願望ねぇだろ!」

「あるよ!女子だもん!」

「浮気する気か!?」

「違うし!もう!そんな大声で素出していいの?あたし知らないからね!」

「あっ…ちょ、琉菜、待ってよ。な?」

「鳥肌っ!」





好きでやってねぇし。