「あ、そういえば琉菜の父親ってなにしてんの?」

「あれ、健太は知らないんだっけ。社長だよ。なんかの。」

「…はい?」

「ちょっと琉菜ー。自分の親の仕事くらい知ってないと。笹原食品って知ってる?」

「当たり前だろ。日本最大の食品会社。
って…まじ?」

「うん。ね、琉菜。」

「桜のほうが知ってるね。」






待て、それは俺も知らなかった…。




驚きすぎて声も出ない…。






「一回しか会ったこと無いけど、優しそうでイケメンだよ、琉菜パパ。」

「俺琉菜の親父さんに会うの怖くなってきた…。」

「頑張れ、龍佑。」





まぁ、だからといってなんもかわんねぇけど。




家とか関係ないから。






「大丈夫だよ、うちのお父さん考え方が貧乏だし。だからあたしも自分ちが金持ちなんて思えないし。」

「まぁ、それは琉菜見てればわかる。」

「褒めてますか?」

「…もちろん。」





ちょっとふくれた琉菜は、また俺の心を掴んだ。




かわいいとか反則…。






「あー!なんだかんだてもう残り30分。」