「で?まだ本音あるだろ?」

「なんでアンタに…。」

「琉偉に聞こえてねぇから。」

「なんでわかるの…。」

「いや、わかったわけじゃねぇけど。なんとなく。」





黙ってうつむく琉菜。




抱えてるものがある気がして、ほっとけなかった。




なんか…どうにかしてやりたい。





「誰にも言わない?」

「誰に言うんだよ。」

「お父さんにも桜にも言ってないんだよ。」

「なおさら言えよ。黙って聞いてるから。」

「あたしは…。あたしだって…ほんとはみんなみたいに遊びたいし!好きな人とか普通につくりたいし…。腹立つって言った人たちは…ほんとはあたしのあこがれなの。」

「うん。」




顔をあげないまま、小さく言ったのが琉菜の本音。




「だけど…いえるわけないじゃん。お父さんはあたし達の為に頑張ってるんだし、琉偉の前でそんなこと言えないし。琉偉に寂しい思いなんてさせたくないし…!だけど…。」




琉菜がこんなに感情をだすなんて思わなかった。



泣く寸前みたいな琉菜を見てると抱きしめたくなる。





「…俺からしたらお前は頑張ってるしすげぇよ。そこまで琉偉のこと思えるのも。だけど頑張りすぎんな。桜とか、支えてくれる奴もいるんだろ?」

「…うん。」

「俺も助けてやる。特別だ。」

「…ダメだよ。迷惑かかる。」

「こんな生活してるより、琉偉と遊んでる方が楽しい。」

「…あっそ。好きにしたら。」

「かわいくねぇな。」

「…ありがとう。」




やべ、今のはドキッとしたかも…。




いや、気のせいだよな?