baby!baby!baby!

みづきさんのアパートに来た。




だけど、みづきさんの部屋から出てきたのは冴えない感じの男。






やられたな。




俺バカすぎだろ。




みづきさんに電話をかける。





「はい、もしもし。龍佑くん?」

「あんた何者?」

「え?」

「俺としたことが、騙されてたわ。考えみれば怪しいことだらけなのに。」

「…ちっ。使えないわね~。まだなにも得してないじゃん。」





バレたとわかった瞬間、電話でもわかるくらい豹変したみづきさん。





今このときほど、俺は自分を嫌いになったことはない。





「あんた何者?どこからが嘘?」

「最初から!あたしはママもパパも生きてます~。しかも実家は金持ち~。」

「看病した日、お茶には睡眠薬入れて、カバンからケータイ出したろ?」

「うん。龍佑くん、女には警戒心強そうだと思ったんだけど、そうでもなかったから。」





バカにされてたと。




ありえねぇ。





「目的は?」

「まぁ、あたしのコレクションにイケメンいたら自慢になるし?もしお金ある高校生ならなんか買ってもらおっかな~とか。」

「高校生にたかるなよ、ババァ。」

「まだそんな歳じゃないし!」





あのアパートの男もたぶん、こいつのコレクションとかいうやつの1人。




ってか、コレクションって…。






「俺アンタにけっこう引いてるけど。」

「絶対あの子よりあたしと遊んでたほうがいいと思うけどね?」

「琉菜の悪口は言うな。殺したくなる。」

「好きすぎでしょ。」






当たり前だっつの。





俺はみづきさんに感情移入はしたみたいだけど、好きになることはなかった。





俺のなかで琉菜のポジションが揺らぐことはない。





「なんでこんなバカ女に騙されたんだよ、俺…。」

「ひどくない?だって、あたしの売りは話術だもん。ちょっと親しみやすくなれそうな言葉言えばカンタンだからさー?」





思い返せば…。




俺の場合、あの一瞬笑った瞬間に負けてたんだな。




それにしても警戒心なさすぎる。





まじで自分にがっかり。