「なぁ、ほんとに不安になってねぇ?」

「うん。」

「抱き合ってたってのも、向こうから抱きついてきただけだから。って…なんか言えば言うほど怪しいよな…。」

「だから、大丈夫!信じてるよ。」






安心したように笑う龍佑。




龍佑があたしを信じてくれてるように、あたしも信じてる。




だけど…あたしも意外と嫉妬深いのかも。






「信じてるけど…。」

「けど?」

「抱きつかれたって聞いて…妬いたかも…。」

「ははっ!」

「笑い事じゃないから!」

「あ、言い忘れてた。昨日のその人からお礼したいってメールきたんだけど。」

「メアド…交換したの?」

「した。」





龍佑のバカ…。




なんでそういうときだけ交換するかな…。




学校では避けまくってるのに。





「えー、栗山くんアドレス交換したの!?」

「お前、それはねぇよー。」

「なんで戻ってくんだよ…。」

「「おもしろそうだったから。」」





そういうことには鼻が利くのね…。




でも言ってくれて良かったかも。




たぶん、2人がこなかったら言えなかった。





「だって、あんだけ泣かれてお礼したいって言われたら断りづらいだろ。」

「栗山くんらしくないね~。」

「こいつ琉菜とつきあって丸くなったんだよ。」

「ってか、そういえば昨日なんで逃げたの?」

「おまえらに見つかったらこうやってうるせぇからだよ!」





うん、それは…わかるかも。




そこはどうでもいい。





「会うの?」

「いや、断ってんだけど。どうしてもって。」

「そっか…。」

「でも、さすがに2人では会えねぇから琉菜も来いよ。」

「琉偉がいるから。龍佑は…会ってきなよ。」

「琉菜が会うなって言うならあわねぇよ?」

「ううん、大丈夫。でも…不安だから終わったらメールして?」

「ん…わかった。」






理解のある彼女のふりなんかしない。





不安なものは不安だし、妬くときは妬く。





龍佑には我慢しなくていいって、わかったの。




龍佑はいつもあたしが甘える場所になりたいって言ってくれる。





頼りきったらダメだけど、我慢しすぎることを龍佑は喜ばない。





少しずつ、あたしも成長してるんだよ。