*琉菜




あれからいじめは無くなった。





あたしたちはいつも通り平和に過ごしてた。






「琉菜…。」

「桜?健太も…なんでそんな暗いの?」

「言わない方がいいかもしれねぇ…けど、俺は黙ってらんねぇよ!」

「ごめん、話が見えない。」

「健太!大丈夫だよ。あたしたちが琉菜を助ければいいんだよ。」

「あのね、そのあたしが置いてかれてるの。」

「そうだな…。琉菜、本題に入ろう。」

「うん…それを待ってた…。」





突然すぎてわけがわからない。




あと、この2人もわけがわからない。




あの小芝居はなんだったんだ…。






「もう、健太ためすぎ!浮気だよ、浮気!」

「誰が?」

「栗山くん!」

「龍佑?」

「昨日、女の人と抱き合ってるとこ見ちゃったもん!ね?」

「あぁ。」





昨日…?




昨日も普通に家に来て、夜ご飯食べて帰って行った。




別に変なこととか無かったし…。






「見間違いじゃない?」

「でもあたし達と目が合ってファミレスに逃げたもん。」

「え…。」





それは変だけど…。




でも龍佑が?





「栗山くん、本性だしてもモテたから調子乗ったんじゃない?」

「かもな~。」





そう、龍佑はあのとき素をみせたけど、逆にそれが大反響。




人気が無くなるどころか、ファンが増えたくらい。






「でも…龍佑は琉偉を裏切らないと思うんだけど。」

「いや、つきあってるの琉菜だから!」

「あ、そっか。」

「お前らなに勝手なこと言ってんだよ。」

「げっ…龍佑…。」





どうやら龍佑はちょっと前からいて話を聞いてたらしい。




龍佑が不機嫌オーラを出すから、健太はちょっとビビってる。





「俺が浮気なんかするかよ。」

「でも見たもーん。」

「ちがうから。あれは落とし物拾っただけ。その落とし物がけっこう大事なものだったらしくて泣いて喜ばれたってわけ。」

「うまくまとまりすぎじゃない?」

「そんなこと言われても事実だから!」





たしかにマンガに出てきそうな話だけど…。




それをわざわざ言ったりしないと思うし。




だいたい、龍佑ならもっとうまい話考えられるよ。





「琉菜…今失礼な解決したな?」

「え?」

「まぁいいけど…俺が裏切らないのは琉菜だからな?」

「あ…うん!」

「なんか見せつけられて終わったね。」

「だな。戻るか。」






2人から話ふってきたくせに…。




ほんと、自由な2人だよね。