「買い物して行こっか。」

「うん。」






この買い物が、あたしを変えるホントのホントの最初のきっかけ。





そんなことも知らずに、いつものスーパーに。






「琉偉、お菓子一個だけ買ってあげる。」

「やったぁ!」





走ってお菓子売場に向かった琉偉。




かわいいなぁ。




けど…。






「おねぇちゃん?」

「え?あ…行こっか!」





琉偉にお菓子を選ばせてレジに並ぼうとしたとき。





「あれ?」

「あ…。」

「笹原…さん、だっけ。」

「…はい。」





ものすごく意外な人に遭遇。




なんでこんなとこでこんな人に会わなきゃならないの。




声をかけてきた彼は栗山龍佑。




おなじクラスの人で、学校1のモテ男。





でもあたしからすれば、女とっかえひっかえの最低男。





「笹原さんの…息子?」

「なわけないでしょ。」

「まぁ、そうだよね。」






あたしとは正反対な人種。




それに、関わりたくなかった。





まわりの女がめんどくさそうだから。