*龍佑



バレンタインが終わり、テストも終わった頃。




「お父さんがね、久々に休みなんだって。土曜日。」

「うん?」

「だから、たまには2人で遊んでこいって。」

「ん?なるほど!さすが琉菜パパ!でも、疲れてて久々の休みに琉偉の面倒で良いのか?」

「うん、大丈夫だって。」

「そうか。」





初デート?



うわ、テンションあがる…。




2人きりで出かけたなんて、年末の買い出しぐらいだ。





「どこ行きたいか考えとけ。」

「あ、あのね!1日一緒だし…よかったら、その中の何時間かだけ、龍佑の家に行きたい…。」

「俺んち?」

「うん。龍佑の家族に会いたいなって。」

「琉菜パパみたいに立派な奴いねぇぞ。」

「いいの。」

「じゃあ…少しな?家なんかずっといたらもったいねぇし。」





家かぁ…。




土曜日なら…親父も居るな。




めんどくさそう…。





にしても、初デート…。




琉菜パパまじでさすが!





「龍佑、教科書貸せ。」

「はい。」

「機嫌いいな、爽やか龍佑なのに。」

「なに言ってるかわかんないな。」





俺は今、なんでも許せる気がする。




まぁ、なんでこんなに舞い上がってんのかは自分でもいまいちわかんねぇけど。