春の風が冷たく吹き付ける入学式に 大峰 潤という1人の女の子に出会った。


背は普通だが スタイルがとても良くて持てそうな顔をしていた。


美人だが何となく性格が悪そうだ。


だが彼女の笑顔があまりに純粋で 見た瞬間足が止まった。


恋の始まりは衝撃だ。


胸が高鳴る前に俺は引き寄せられたかのように彼女を見つけていた。


始まりはまるで必然的に。


怜也が彼女と同じ1組の女子と仲が良かったのが奇跡。


「初めまして。 大峰です。」


ちょっと無愛想なのはさておき なかなかのギャップだった。


「お前って何組?」


普通に聞いたつもりだった。


「初めましてでお前呼ばわりするなんて 馬鹿にしないでよね。 私はそんな軽くないんだから。」


プライドは結構高い俺にとっては かなり驚いたものだった。


「あ…ごめん。」


怜也は腹を抱えて笑った。


Sで プライド高くて 上からものを言う俺が謝った。


「お前 マジなんだな〜。」


完全にバカにされてますけど。


「うるせーバカ。 お前はどうだったんだよ先輩と。」


通常授業が始まった3日目の帰り道。


夕日を背中にのんびり歩く。


「…所詮口だけだ 女なんて。」


「……ふーん。」


同じ中学で やってるスポーツも学力も全く似つかわない俺たちが仲良くやってられるのは きっとこれがあるからだ。


丁度良い距離感。


「すんげー綺麗になってた。」


少し前を歩く怜也の顔は 俯いていて見えない。


髪が顔にかかって それが風でなびいて 夕日がまたそれを照らす。


「ふーん。」