佐々木くんが合流してから さらに静かになった潤。
「おい カレーとラーメンどっちが旨い?」
普通に潤に尋ねた佐々木くん。
私たちにとってはよく見る光景。
「別にどっちでもいいじゃん。」
潤がそう答えたら完璧。
だけど 好きだと認めてガチガチに緊張している潤は…
「…えっ……うんと……どっちも食べたら?」
っと 真剣に考えてしまい。
「聞いて大峰 俺この前の試合でノーヒットノーランだしたんだよ。」
また普通に潤に話す佐々木くん。
「あそう すごいの?それ。」
これまた潤がそう答えたら完璧。
だけどやっぱり潤は…
「へっ…へぇー!! そっかぁおつかれ!!」
っとよく分からない。
完全に壊れてますけど。
恋愛初心者みたいになってる潤を横目に焦る私。
それを見てヘラヘラした顔で私を見つめる相澤くん。
それを恨めしそうに睨む剛。
あっ あの顔はヤキモチだ。
そう認識してぶわっと赤くなる頬。
「奈穂 こっちおいで。」
自分の隣の席をポンポン叩きながら 割れ物を扱うように大事に私を引き寄せた。
……っ…。
もう高校生だし これだけで緊張してしまうのはおかしいかもしれない。
…だけど 剛はあまり私に無理に触れてこない。
だからか キスはやっぱりまだだった。
夏架や砂依には 早くしちゃいなよって急かされる。
だけど 私は私で剛に全部のタイミングを預けていたんだ。


