必要だった。


高校では潤が唯一の友達で 1人になるのが怖くて そんな不安をかき消してくれたのが2人だったから。


だけど たまに話が合わなくて 作り笑いも増えていった。


それから 潤や相澤くん 佐々木くんとご飯を食べるようになって クラス外に友達ができた。


それからは あまり必要とは思わなかった。


なんというか 2人に私が加わる感じ。


でも 友達だと思っていた。


「…必要だったよ。」


「今は?」


「一緒にいたいよ。 友達だと思うから。」


真正面から受けるちょっと暖かい風に 目が乾くからかな。


涙がちょっとだけ 目の前を揺らす。


また 感情が溢れ出す。


「……私 夏架と砂依と仲直りしたいよ。」


腕のなかに顔を沈める。


そしてまた優しく私に触れる佐々木くん。


「…ならさ ちゃんと話そう。」


泣きじゃくる私に ゆっくりと流れる時間に 優しい瞳で私を見つめる佐々木くん。


こんな状況で 私が佐々木くんにすがらない訳がない。


「……うん。 ありがと。」


優しい 暖かい 素敵な時間と言葉たち。


佐々木くんが私にくれた。


夏架と砂依 私は2人に話をするよ。


佐々木くんと2人屋上で 5月10日。